「こんにちはテンカイです、こちら各務と折原でやらせてもらってます、よろしくお願いします」
「いやーニュースって気になりますよね」
「ニュースは大事ですからね」
「最近のニュースといえば、300光年先の超新星爆発で、周囲の通信が向こう五十年乱れるみたいですね」
「何?」
「アルファケンタウリ星系の政争が話題ですよね。次の大統領は誰になるんでしょう」
「え?」
「それから、僕の住んでる宇宙船が」
「あのさ、さっきから気になるんだけど」
「はい!」
「……お前、ニュースが宇宙寄りすぎるんだけどさ」
「身近な話題を選びました!」
「もしかして宇宙人なの?」
「はい! だいたいそうです!」
「だいたいってなんだよ、宇宙人に半分とかあるのかよ」
「正確に言えば、大宇宙汎域ネットワーク型超越生命体の端末の一つです!」
「大宇宙……? 超越……? まあ宇宙人ってことか?」
「はい!!」
「なんでそんなに自信満々なんだよ」
「まずいことを言ったら、みなさんの記憶を消せばいいですからね!」
「えっ怖」
「ちなみにさっき三秒分消してます、心当たりありませんか?」
「ほんとに?」
「まあ、記憶を消したっていう記憶も消してあります」
「証明できるわけあるか」
「じゃあ、お前が宇宙人だとして、何のために地球に?」
「勇悟さんを近くで観察するためです!」
「おれの相方になったのも?」
「もちろんそうです! 統計的データはだいたい取れたので、もっと近くで人類を観測しようと思って!」
「人間だってたくさんいるだろ」
「まあ2000年も見てればだいたいわかりますよ」
「おおむね西暦」
「いやー最近は太平天国の乱とか大変でしたね」
「……1851年じゃねえか!」
「ご理解いただけないようでしたら、皆さんの記憶を操作して、テンカイがバカ受けしたことにしますが」
「ありがたいけど実力で勝ちたいよ」
「こういう人だから観察対象にしたんですよ」
「せめて相方に選んだんですよって言え」
「実は僕、2000年ぶんのビッグデータに基づいた統計的判断で動いてるんですよね」
「どういうこと?」
「自分の感情はなく、統計的判断ですべての言動をやらせてもらってます」
「てことは、お前のやってることは、その場に応じた適切な判断ってこと?」
「……ここでボケるべきだと統計的にわかりました!」
「じゃあボケろや!」
「要するに僕は喋ったり動いたりするカメラみたいなもので、人間というより自然現象に近いんですよ」
「現象とこんなに楽しく喋れるかよ」
「統計のできる現象はこうやって喋れるんですよ」
「じゃあおれは何と話してるの?」
「『無』ですかね!」
「いやおれとお前が喋ったこの時間は『有る』だろ」
「はい! 無もそう思います!」
「いやもうわけわかんないよ、いいかげんにしろ、どうもありがとうございました」
2025-03-30
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