さよならの代わりに、祝福を - 1/3

『今日も、マリウスは元気です。

せっかくなんで、それ以外のはなしもしましょう。
これが最後の手紙ですから。

あなたが誰だか知りませんが――なんとなくわかる気もしていますが――彼は帰ってくるでしょう。
あなたの元へ。
生きて。
生きて帰ってくるでしょう。
彼だけは、生きて帰らねばならぬのです。
それは今ではないかもしれませんが、いつか。
私たちは、生きるにしても、死ぬにしても、もう同じ場所には戻ってはこないでしょう。
私たちは未来の燭光のために沈むのです。
しかし彼は違います。
未来のある若者です。
恋をした若者です。
私たちとは一時道を共にしたのみなのです。
だから許してやってください。
我儘に聞こえるでしょうか。
私の言ったところで変わらないのでしょうが、それでも。
許してやってください。
彼の瞳の輝きを、見てやってください。

私と彼の道は分かたれました。それでも。

彼、マリウス・ポンメルシーの友人として、私はあなたに書き残します。』

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