対峙するのは白と赤。同じ背丈、同じ身体、同じ顔。
「どこへ行く」
「行く場所などない。ここがおれの世界だ。あんたはあんたの世界で幸福になれ」
「見たところ、あんたは幸福に見えない」
「それに何の意味がある」
「なぜならあんたは、おれだからだ、おそらくは」
「おそらくではなく、そうだ」
「ならばあんたも幸福でなければ意味がないだろう」
「意味はある。おれはあんたで、あんたはおれだ。おれが幸福になることを、望んだものたちがいる。その望みを無碍にすることはできない」
赤は望まれて存在するもの。
白は望まれて存在するもの。
望みは違えど、幸福を求めるもの。
「――そうか」
「あんたは荷物を運び、幸福を学び、あの世界で生きる。そして望まれた縁を結ぶ」
対峙したのは白と赤。同じ背丈、同じ身体、同じ顔、異なる記憶、異なる幸福。
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