les croyances - 8/9

一八四八年、パリ。

二年前からの飢饉、失業率の増加もあり、改革を求める声が高まっていた。しかし、かつては自由主義者であったにもかかわらず首相ギゾーは関知せず、野党は改革宴会を開催し始める。
国王ルイ=フィリップによる改革宴会の妨害行為が、燻っていた火種に火を着けた。
抗議行動として、学生などの団体がブルボン宮を包囲し、行進を始める。武器を集めるために銃砲店や衛兵所を襲撃し、衛兵隊との戦闘が始まった。
それから一夜明け、道は幾つものバリケードで封鎖された。一八三二年と違い、国民衛兵もそれらに味方するか、もしくは非介入の態度であった。
非公式な記録によると、反乱の中には労働者階級の者たちだけではなく、ブルジョワも混じっていたと言われている。
バリケードはパリ市内要所を占拠し、抗戦体制をとった。
国王側に殺害された若い女性の血塗れの死体を旗印に代え、キャプシーヌ街から歩いてくる行進は、眠っていた民衆を覚ますのに十分すぎるほどの鮮やかさであった。
赤は夜明けの色である。闇夜を打ち破る赤は、同時に血をも意味する。
ルイ=フィリップが首相ギゾーを解任したが、時既に遅し。
パリ市民に加え、国民衛兵も加わった隊列は、チュルリ宮、市庁舎を陥落させ、最終的には王宮にまで及んだ。玉座は窓から投げ捨てられ、焼き払われ、ルイ=フィリップは亡命することを余儀なくされた。

街には三色旗がはためいた。
もはや祖国は国王のものではなく、我々のものだと示すために。
この先に困難があるとしても、ひとまず、民衆の手に主権が取り戻されたと宣言するために。

まだほど寒い、二月のことであった。

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