#いいねしてくれた人に短歌を詠む 20211229-20211231

山鳥の羽が真上を指す影と祈りのすがたが重なる二月
「どいてくれ眩しいんだよお前の目以外の全部が」なんて言えない
綺羅星をガラスに詰めて三度振ると宇宙ができることがあります
星になることを望んだ星はなく重力の定めにより光る
花束を組むみたいにことばを集め「トネリコ」と「とりこ」をおとなりにする
英雄じゃないのでヘスペリデスの園から持ち帰れたのはさぼてん
あきらかにならないことばっかりなんだあの日のスープの温度だったり
飛行機のエンジン通り抜けていき無傷で笑う鳥を見ていた
きみはそう夢の主だ虹を待つ間にもまた幻を見る
にんげんを花に見立てて剪定をする春先の上位存在
なめらかなエレクトラムよりあざやかな輪郭どうしでいたほうがいい
あのときと同じ青ですあの時と違う空の下 影がゆれてる
「かかとから落ちたときには迷わずに着地しろ」って意味の標識
カテゴリとしてではなくて実存として生まれたんだ 隕石みたい
すきとおるローズヒップティーの午睡 冷めてもおいしい良質な昼
紙上の題目を破り捨てきらきらの破片の中でパーティーしよう
ペパーミントグリーンのタオルの表面積を数えるゆたかな心
E線が切れるみたいに日曜の朝をめちゃくちゃにしていっちゃおう。
見えますか聞こえてますか台所洗剤の青い泡がはじけた
言葉にはしないでほしい目の前のあなたの傅く光の意味は
きみのため、といってとうめいにはならず、あたらしい朝のてつだいをする 
待たずとも会いに行こうかルビーから色相環の反対側へ
ふたりにはすこし広くてさんにんでは重なりのある路地を歩いた
水銀が蒸発するときそのときに限って見えるタイプの未来
ドイツ語の時間になると先生の声は琥珀の深みを得ます
せめてきみ本の中では従順に読者の機械をやっておくれよ
幸福は殻でも箱でもなくひとの肋骨の間にあるといいます
反省の色は見えない仕様です。いくら積んでも塗れない窓です。
白と黒の間にわずかにある灰をみつめています まだ明るいよ
白銀の人差し指でふれるその腹に残った淡い紫
偉大なるハッピーエンドの外側でりんごの苗を植えているひと
炭酸だ 口からこぼれた瞬間に大気に溶ける意味があります
アメトリン飲める喉ならよかったと悔いるのみでは対価にならず
真新しいスーパーマーケットの棚の隙間にひそむ王様の影
背丈だけ山を超えてはしまったがひとを踏まずにおうちに帰る
傷っけのあるエメラルド手のひらで包んではきみは正しいと言う
眠れない夜にコーヒーフロートを作るきみとの距離を測った
あたたかい呪いは愛に似ているね。似ているだけで重ならないね。

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